健康相談室
「ダンスが原因といわれたモルトン病。完治できる?」
神経腫の状態であれば、ダンスより治療に専念をモルトン病は、足ゆびの間に有痛性神経腫が発生する病気で、体重をかけると第3趾と第4趾の間に焼けるような痛みがはしり、歩くと強くなります。神経腫といっても、本当の腫瘍ではなくゆびに行く足の裏の神経が、靭帯に圧されて変形し腫大する”偽神経腫”です。ですから、悪性腫瘍のように周りに広がったり、転移したりはしませんし、もちろん命には関係ありません。
原因は足先の荷重です。ハイヒール、幅の狭い靴や底が薄くて硬い靴のほか、硬い床の上での運動や踊りも要注意です。相談者もそうですが、社交ダンスがはやってきてからふえている病気です。治療は、それらの荷重をさけることから始まります。まずは、鎮痛消炎剤や湿布、塗り薬を使い、症状に応じて中足骨桟や除圧用の中敷き、アーチサポートなど荷重を避ける装具療法や、ステロイドの注射を行います。いったん神経腫ができてしまうと、こうした保存療法で治るのは3割程度で、3ヶ月〜2年しても痛みがつづけば手術をします。しかし神経腫を切除しても完治とならないケースもあるので、神経腫の状態にしないことが肝心です。
相談者の場合、まだ神経腫は認められないとの診断のようですが、モルトン神経腫はX線写真やCTでは写りません(MRIには写ります)。第3,4趾の中足骨骨頭間に腫瘤を触れ、圧痛、放散痛、灼熱感があることが診断の決め手になります。似た病気もあるので、よく診てもらってください。神経腫になっていなければ、症状に注意しながらダンスをつづけることも可能ですが、神経腫の状態であれば、ダンスはやめて治療に専念したほうがよいでしょう。