健康相談室

足の親指の爪が肉に食い込んで炎症をおこしています。赤く腫れていたみます。」

巻き爪の変形だけでなく、陥入爪になって炎症や感染を起こしている状態です。陥入爪とは爪が伸びて角が皮膚に食い込んだ状態で、炎症を起こして赤く腫れ痛みます。感染を起こすと発赤、腫張、疼痛のいづれも強くなり、安静時にもずきずき痛み、膿が出てきます。感染を繰り返していると爪の両側が皮膚にはまり込んでいる溝、爪溝が深くなり、爪の下の床、爪床が丸くなり、爪の両側が内側に巻き込んで食い込み、巻き爪となります。巻き爪は血行不全や加齢でも起こりますが、陥入爪から炎症や感染を繰り返して起こり、ひどくなる物がほとんどです。

 正しく爪の切り、足を清潔にし、足にあった靴を履いていれば大半の陥入爪は治癒します。爪を切る時はじを残してしまい、角の様になって皮膚に食い込みます。一度、炎症を起こして腫れて痛くなると、爪が切り難くなりはじを切り残すという悪循環に陥ります。こうなってしまったら、ニッパー型の爪切りで痛いのを我慢して爪の角を斜めに切り取るしかありません。爪の尖った角さえ無くなれば、一日三回、洗面器に入れたぬるま湯で足を洗っていれば治癒します。石鹸を使い、使い古しの歯ブラシで爪の両側をそっと溝に沿って洗ってやると効果的です。石鹸を使ったら、シャワーで十分に洗い流します。さっとタオルで拭いた後は、ドライヤーの冷風で乾かしてから清潔な靴下を履きます。膿が出ているようなら一滴、消毒薬を爪の脇の溝にたらします。大抵の陥入爪はこれで治りますが、こじらせて腫れや膿が止まらないようなら整形外科を受診して下さい。抗生物質や小切開で感染が治らなかったり、一度治っても繰り返すようなら手術が必要です。爪を全部とってしまうことは変形を残すので一般には行いません。やはり小さ過ぎる靴は陥入爪の原因になります。