子どものの扁平足。影響を及ぼす前に矯正したほうがよい?
「2歳2ヶ月の娘。扁平足の家系で、娘の足形もどうやら扁平足のようです。土の上を裸足で歩かせる機会をふやしていますが、土踏まずが形成される様子はありません。からだに悪影響がでないか心配です。器具や靴等で矯正する方法があれば教えてください。(長野県 F)」
大半は何の障害もおこさない柔らかい扁平足なら治療も不要
赤ちゃんは扁平足で生まれてきます。足の裏にふっくらした脂肪がついているため、足跡に土踏まずができないのです。 成長に伴いこの脂肪は落ちていきますが、7〜8歳頃までは、正常な内側縦アーチは完成しないものです。 そもそも扁平足とは、一般には内側が外側にへこんでいない足跡をみていうようですが、医学的には舟状骨という骨の高さで診断します。本当の扁平足かどうかは骨の位置をさわって確かめるか、X線写真で診断しなければわかりません。
扁平足には、軟らかい扁平足と硬い扁平足があります。 子どもの場合、軟らかい扁平足が大半で、体重をかけなければ縦アーチが保たれています。 たとえ縦アーチが沈んでしまう扁平足でも、軟らかければ3歳までは治療の必要はありません。 3〜9歳の幼児で疲れや痛みがある場合も靴の補正で十分。 適切なアーチサポート、かかとを保持するカウンター、内側が長めのカウンター、長いシャンク(靴底に入れる板金)などで対応できます。 10〜14歳ぐらいでも、痛みなどの症状がなければ治療はいりません。
一方、体重をかけなくても縦アーチが無く、手で矯正できないような硬い扁平足の多くは病気です。 先天性垂直距骨とか先天性足根骨癒合症や全身的な筋肉・神経疾患の部分症であることが多いので、整形外科で正確に診断してもらい、必要なら手術を受けなければなりません。 ただし、こうした症例は扁平足の人100人に1人もいませんから、あまり心配はいりません。
昔は、扁平足だと地面からの衝撃が強く、ひざや腰の痛み、肩こり、頭痛まで誘発するといわれましたが、直接に関係はないようです。 まだお子さんも小さいですから、あせらずしばらく様子をみられてはいかがでしょう。