米国整形外科足の外科学会

糖尿病の人の足の手入れ

 

関心を持つべき理由

 

潰瘍、感染、壊疽は糖尿病患者が直面するごく普通の足の障害です。そのため毎年、数千人もの糖尿病患者が足の切断を余儀なくされています。

 

糖尿病における足の問題には大きな2つの原因があります。

足をよく手入れすれば、潰瘍や感染を防止できます。

足をよく手入れすれば、足の切断時期を遅らせられます。

 

あなたの足を守るために、次のことを実行しましょう

 

1.            毎日、足を観察しましょう

−目と手を使い、家族に助けてもらいましょう。

−足指の間もチェックしましょう。

−鏡を使って、足の裏も見ましょう。

−以下のような危険なしるしを探しましょう:

    腫れ(特に、新しいもの、次第に大きくなるもの、足全体に及ぶもの)

    皮膚が赤い(圧迫によるただれや感染のしるし)

    水ぶくれ(擦過や圧迫によるただれのしるし)

    切り傷、擦り傷、出血(感染の可能性)

    爪の障害(皮膚に当たり、潰瘍をつくり、感染を起こす)

    じくじく湿って液がしみ出る(足指の間)

−このような危険なしるしを見つけたら、すぐにかかりつけの医師に連絡しましょう。

−手を使って靴の中に次のような物がないかチェックしましょう:

    凸凹(ざらざらの面や縫い目)

    異物(石や鋲)

−毎日、足を洗いましょう。

−熱過ぎ、冷た過ぎの水でなく、ぬるま湯を使いましょう。

−足を洗った後、(特に足指間まで)よく乾かしましょう。

−皮膚が乾燥したら、少量のクリームを塗りましょう。

−子羊のウール(木綿ではなくて)を挟んで、足指の間を乾燥させましょう。

 

  

4.            靴と靴下を足に合わせる

−靴と靴下がきつ過ぎないことを確認しましょう。

−靴先は「息ができる」柔らかな素材の甲革で作られ、余裕がなければいけません。

−新しい靴を履き5分から10分したら、靴を脱いで皮膚が圧迫されて赤くなっていないかチェックしましょう。もし皮膚が赤くなっていれば、その靴を履いてはいけません。もし、赤くなっていなくても、初めての靴を履いた日は30分毎にチェックしましょう。

−何足かの靴を順繰りに履きましょう。

−多くの保険制度で給付の対象になる、糖尿病用の治療靴(処方される靴)について、医師に尋ねて下さい。

−認定された装具士や足治療士には、糖尿病に適切な履物を作ったり、足に合わせたりする資格があります。

−靴屋の店員に、あなたが糖尿病であることを伝えて下さい。

−医師に受診するたびに、足と靴を診てくれるように頼みましょう。

−前述したような危険な徴候があれば、医師にかかりましょう。

 

こんな危険な事をしてはいけません

 

1.            はだしで歩いてはいけません

−尖った物や荒れた地面は、切り傷、擦り傷などケガの原因になります。

−特に知覚が異常の場合、熱はひどいヤケドの原因になります。

−熱いお湯で足を洗ってはいけません。

−足温器を使ってはいけません。

−切り傷、擦り傷をつくり、感染を起こす原因になります。

−爪は真っ直ぐに切りましょう。

−喫煙は足が酸素を吸収するのを妨げます。

                                                                               

「1オンスの予防は1ポンドの治療に勝る」を忘れてはいけません

        −傷を治すには、健康な足を維持する20倍のエネルギーを必要とします。

                                                                               

米国整形外科足の外科学会は足と足関節の治療に特別に興味を持ち訓練を受けた整形外科医(医師)の集まりです。医学部を卒業した後、整形外科医になるため少なくとも5年間の厳しい訓練を終了した医師達です。