外反母趾を予防する靴
1. 幅広のトー・ボックス(趾が自由に動く)
2. 内ぶれのトップ(靴の先端が母趾の方によっている)
3. スクウェアー型(三角形でないこと)
4. 大きめのウィズ(特にボール幅)
5. 低めのヒール(3cmくらい、5cmは越えない)

外反母趾用の靴(外反母趾を予防する靴の条件に加えて)
1. バニオン・ポケットを作る(あたって痛い部分をふくらませる。球環挟、ダボ付きシュー・ストレッチャー、革軟化スプレー)
2. 甲革が軟らかく、母趾のつけねに縫い目が無い
3. 外羽根の紐靴で、ウエスト(ボールの中枢)がしっかりしている
4. アーチサポート
5. 中足骨パッド

幅広の靴も危ない?
 先細の靴も、気をつけなければなりません。3Eとか4Eの靴を、外反母趾用の靴とか、足に優しい靴とかいって販売していますが、幅が広ければよい、というわけではありません。

ちなみに、この3Eとか4Eという表示は、ウィズ(withs)といって、おや指と小指のつけねの部分(ボール)での、周径を表しています。ですから、同じウィズを表示した靴でも、幅と高さのかねあいで、広くて低い、狭くて高いと、いろいろな靴があります。

 もちろん、ウィズがきつくてはいけませんが、外反母趾の予防、進行の防止のためには、ゆるくてもいけないのです。まだ、外反母趾になっていない人、外反母趾になりかけていても、まだ靴をはいても痛まない人には、この部分がしっかりとしていて、ぴったり合っているか、少しきつめの方がよいのです。

痛くもないのに、足の指のつけねの部分が、ゆるい靴をはくことは、外反母趾を予防するどころか、外反母趾の発生や進行を助長しかねません。

外反母趾をおこす先細の靴とは、この足の指のつけねの部分より先、指の先端が入る部分(トー・ボックス)が、細くて狭い靴なのです。ですから、少々、指のつけねの部分がきつめでも、指が自由に動けるようであれば、それだけで外反母趾を起こすことはありません。

逆に、いくら指のつけねの部分が広くてゆるゆるでも、足のおや指の内側や先端が、靴に当たって、指を広げたり曲げたりできない靴であれば、外反母趾を起こしやすいわけです。

 もう一度、いいますが、3E、4Eとただ指のつけねの周径の大きい靴を、外反母趾を防止する靴、足に優しい靴とするのは間違えです。

外反母趾を予防するためには、第一中足骨が内側に曲がるのを、抑えねばなりません。そのために、足の指のつけねを、靴でしっかりと支える必要があります。ですから、ウィズはぴったりか、むしろ少しきつめの方がよいのです。それに、ただ3E、4Eといっても、必ずしも幅だけが広いわけではありません。

要は、指のつけねの部分がしっかりした作りで、ぴったり合い、靴先に指が自由に動くだけのゆとりがある靴が、外反母趾を予防します。